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玉ねぎの秘密。
ソースのコクやうまみの秘密のひとつにはこの玉ねぎにあります。玉ねぎは生で食べると心地いい歯応えとさっぱりとした味をしていますが、しっかりと火を通すととても深いコクと、とろみを生み出します。さらに、血液をさらさらにする効果など、健康食材としても名高い食材です。ここでは玉ねぎの研究をされている北海道東海大学の西村博士のお話を交えながら、野菜玉ねぎの素顔に迫ってみたいと思います。
西村弘行博士 プロフィール西村 弘行 にしむら ひろゆき HIROYUKI NISHIMURA
ブルドックソースたまねぎ博士。北海道東海大学 学長 農学博士。
主にユリ科ネギ属の研究を専門とし、玉ねぎをはじめ最近では行者ニンニクの効用も提唱。札幌らーめん横丁の「一粒庵」などのレシピプロデュースをしたり多岐にわたる活躍を見せる。

vol.3 身体と頭の元気の源
玉ねぎひとつでパワーアップ
 現代でもインドを中心とする中央アジアでは玉ねぎを薬のひとつとして考えているといいます。炎天下の砂漠、無数の車や歩行者が横行闊歩する都心。そして今でもエアコンや冷蔵庫のない家が数多いとも。そんな暮らしの中で人々は玉ねぎのことを、不衛生な環境から身を守る解毒剤として、また疲労回復のための滋養強壮剤として位置づけているというのです。解毒剤としては生食が基本で、スパイスを加えてライムなどを絞って食すチャトニという料理に。そして滋養強壮剤としては、炒め、蒸し、そしてカレーなどの煮物などにするのが常識的のようです。これについて西村博士に話を伺ってみました。
「ふむ、確かに玉ねぎには殺菌作用や疲労回復作用の力がたっぷりと詰まっています。特に興味深いのは滋養強壮の力。これは玉ねぎに大量に含まれている含硫アミノ酸とほかの食材に含むビタミンB1が結合することで生れる、アリチアミンという成分のおかげなんです。ほら、有名な栄養ドリンクでそんな名前のものがあったでしょう?あれです」
 アリチアミンは、体内に摂取された糖質や脂質の代謝を促進させる作用があると同時に、各所の神経の伝達をよくする働きもあるといわれています。不足すると各神経炎や脚気をもたらすといいます。要は身体と頭の元気の源ということです。
「アリチアミンのきっかけとなるビタミンB1。実はこれ、普通はなかなか身体に吸収できないもので、腸内細菌によってすぐに排尿などで流れ出てしまうんです。しかし、玉ねぎとビタミンB1が合わさってアリチアミンになると、ちゃんと吸収されて、さらには身体の中に残るようになる。玉ねぎって小さな野菜だけどとてもパワフルな野菜でしょ」

滋養強壮剤としての秘訣
「玉ねぎを滋養強壮剤として食べるにはちょっとした秘訣があります。それは血液サラサラのときとは逆で今度はスピーディな調理が必要。30分以上置くことで含硫アミノ酸と酵素を反応させていましたが、今回はその反応を起さないうちに含硫アミノ酸とビタミンB1とを結合させる必要があるんです」
なんだかややこしくなってきました。今度は放置ではなく素早い調理だと。
「では、わかりやすく説明しましょう。早い話が切ってすぐに合わせることのできる料理がいいということ。そう、たとえば餃子なんてどうですか。玉ねぎをさっとみじん切りにして肉やほかの野菜とあわせてしまう。これで一度結合すればもう壊れない」
なるほど。それでは、もっと詳しく餃子の作り方を教えていただくとしましょう。
ワンポイントアドバイス
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ニシムラ式元気餃子
 ここでは豚肉と玉ねぎのことだけをお話します。それ以外の食材や味付けは各人のお好みでどうぞ。ただ、玉ねぎと同じようにアリチアミンを生み出す成分がニンニクに、中でも行者ニンニクには大量に含まれていますので、これもぜひお勧めします。
  1. 玉ねぎの皮を剥き、冷蔵庫で冷やす。ニンニクを入れる場合も同様に冷蔵庫で冷やしてから手早くすりおろしてください。
  2. 冷えたら手早くみじん切りにして豚肉とあわせてこねる。冷えているうちは大丈夫ですが、こねているうちにアリナーゼ酵素が働きだし目に沁みて来ますので要注意。このあとは匂いが出てきますので、それまでに混ぜ合わせてください。
  3. 素早く混ぜ合わせたら餃子の皮で包んであとは焼き上げるだけ。これでアリチアミン一杯の元気餃子のできあがりです。
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