もっとソース もっとソース
玉ねぎの秘密。
ソースのコクやうまみの秘密のひとつにはこの玉ねぎにあります。玉ねぎは生で食べると心地いい歯応えとさっぱりとした味をしていますが、しっかりと火を通すととても深いコクと、とろみを生み出します。さらに、血液をさらさらにする効果など、健康食材としても名高い食材です。ここでは玉ねぎの研究をされている北海道東海大学の西村博士のお話を交えながら、野菜玉ねぎの素顔に迫ってみたいと思います。
西村弘行博士 プロフィール西村 弘行 にしむら ひろゆき HIROYUKI NISHIMURA
ブルドックソースたまねぎ博士。北海道東海大学 学長 農学博士。
主にユリ科ネギ属の研究を専門とし、玉ねぎをはじめ最近では行者ニンニクの効用も提唱。札幌らーめん横丁の「一粒庵」などのレシピプロデュースをしたり多岐にわたる活躍を見せる。

vol.4 神秘の玉ねぎ〜世界を駆ける
紀元前5千年から神秘的な存在
 最終回は偉大なる玉ねぎの歴史について。玉ねぎは古代から神秘的な食べ物として重宝されてきたという西村博士。
「食用としての歴史は紀元前5千年頃、ペルシャ地域から始まったといわれています。それが古代エジプトやギリシャ、ローマ時代を経て15〜16世紀頃にはヨーロッパ一帯に広まったと。この間、民間療法的に風邪や胃腸薬、また切り傷の治療薬として幅広く利用されてきたようです」

 英名はオニオン(Onion)。これはラテン語のユニオ(Unio)からきているもので、真珠という意味です。畑の真珠、まさに神秘的なパワーに溢れている感じがします。
「昔の人は凄いですね。健康のためにこの白い玉が大きな役割をもっていることを知っていたわけですから。現代を生きる私は科学的にその根拠を調べる立場にありますけど、知れば知るほど思いますよ。ふむ、やっぱり玉ねぎは神からの授かり物だとね」

古くて新しい野菜
「ただね、面白い話がありまして、これほど古くから人類と共にあった玉ねぎなのに、日本とのかかわりはごく最近のことだということです。導入されたのは明治時代のことで、その始まりがいま私のいる町、北海道というからなんだかワクワクする話です。最初は札幌で試験栽培が行われ、後に札幌農学校のアメリカ人教官であるブルックス氏が本格的に栽培を始めたといいます」
 明治時代は海外の多くの文明が日本にやってきた開化の時代。玉ねぎもそのひとつだったということです。

「みなさんもご存知のとおり、北海道は開拓の町です。明治以降、特に戦後は様々な洋食文化が庶民の間にまで広がり、日本の食のあり方は大きく変化しました。その中で玉ねぎの需要も拡大していったというわけです。今では国内に90種類以上の品種が育っていますが、そのうちのおよそ半分が北海道で栽培されているものなんです」
 北海道には今でも札幌黄という品種がありますが、これは日本に伝来した当時の種といわれています。まさに日本の原点、北海道は玉ねぎの聖地といってもいいでしょう。
 いまや日本はアメリカについで世界第2位の生産量を誇る国にまでなりました。文明が進むたびに我々現代人のストレスが増えていくのも事実ですが、それを救うために玉ねぎは日本で大きく花を咲かせているのかもしれません。

ワンポイントアドバイス
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玉ねぎのススメ
これまで4回にわたって玉ねぎのお話をしてきましたが、その中で西村博士から教えていただいたのが、玉ねぎには血液サラサラ、血栓の予防と減少、悪玉コレステロールのバランス、疲労回復などの作用があるということでした。そして、ほかにも血糖値のコントロール、血管の強化、殺菌、整腸、また発ガン抑制や男性ホルモンの増加などと、ここでは書ききれないほどたくさんのお話がありました。たかが野菜と思っていたら大間違い。玉ねぎは我々の健康には欠かせない、実に頼りになる野菜ということがよくわかりました。
最後に西村先生から一言。
「みなさん!毎日でも玉ねぎを食べることをお勧めします。目安は成人で2分の1個程度。これまでご紹介したレシピを参考にしてみてください!」
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