もっとソース もっとソース
スパイス ソースの名脇役たち
夏の甘い二つの立役者
シナモン
シナモン
洋菓子やカプチーノ、また和菓子や飴などにも使われているので我々日本人にとっても馴染みが深いスパイスです。これらは正確には違った種類ですが総称してシナモンと呼ばれています。イメージとしては、甘くて上品、可愛いなどといったところでしょうか。しかし、実際のシナモンはとてもダイナミックで力強いものです。
まず、これが樹木のスパイスだということが驚きです。多くのスパイスは種子や花、根、葉などで、仮に大木を成す植物でもその実を指すことが殆どです。しかし、シナモンは樹木の皮から出来ています。熱帯にのみ生息するクスノキ科の大きな常緑樹で、この樹皮を剥ぎ取り一度発酵させた後、さらに外側の皮を剥ぎ取り乾燥させたものです。
そして調理に使う場合もイメージとは少し違います。カレーに使う場合は手で豪快にばりばりと割り砕き、油に入れて玉ねぎなどと共にじっくりと炒めます。このときは甘み付けもありますが、実は辛み付けの意味もあります。シナモンは少量だと甘い風味ですが、大量に使うと深みのあるコク、そして繊細で上品な辛味をかもしだすのです。
また古代から酸化防止剤としても扱われていて、ミイラを作るときの重要な薬剤としても使われていたといいます。現代でもインドやスリランカの人々は風邪をひいたときなどに咳止め薬として、また血圧を下げる作用もあるということで少し気持ちを落ち着かせたいときに、このシナモンのパウダーを紅茶にたっぷりと入れて日常の薬として使っているようです。ほか祝い事のときに木のまま炊き込みご飯などに入れて豪華で贅沢なムードを表現したいときにも。用途、味、薬効など実に幅が広くて奥の深いスパイスということです。

ナツメグ
ナツメグ
西洋料理のシチューや肉、魚料理には欠かせないスパイスとして有名ですが、原産地(インドネシアやインドの諸島が原産地とされる)でもあるインドなどでは殆ど使うことがないといいます。これはナツメグの種子が実るまで7年以上を要し高価であることが理由のひとつに思われます。少量を摂取することで、整腸、腹痛や下痢止め、漢方の世界では母乳欠乏の薬としても扱われているそうです。料理においてもナツメグは極めて少量でその存在感をみせてくれます。ご家庭で本格的なハンバーグ料理をつくる際にナツメグをお使いになる方が多いことからみてもこのことはおわかりになると思います。
何よりもナツメグはシナモンとはまた違った独特の甘い香りを持っていることが魅力です。それに深い苦味や辛味も持っているのでマトンなどのような少々クセの強い食材を煮込む料理に向いています。またホール(原型)をおろし金ですりおろしてカクテルなどに使われることもあります。利用する場合の基本は、胡椒と並行して、またシナモンの良きライバルといった感覚で少量をエッセンス的に使うのがいいでしょう。一振り二振り程度で想像以上の存在感がでます。
ちなみにナツメグの仲間としてメースというスパイスがありますが、これはナツメグの種皮。アプリコットのような形をした実を割って開くと中から球形のナツメグが出てくるのですが、それを包んでいる赤色の繊維のようなものがメースです。ナツメグそのものよりも香りや苦味が上品なので、少し風味を抑えたいときに使われます。
両方共にサフランにつぎ、グリーンカルダモンなどと並ぶ高価なスパイスの代表選手です。

▲PAGE TOP