お正月とは月を正す意で、いわば月の始まりです。 大昔、その年の新しい年神様がおりて来られる日と考えら れていました。年神様をお祀りするのに、いろいろな食の 作法や行事をし五穀豊穣・家内安全を願う日でもありまし た。おせち料理の基はその土地の産物(野菜が主)根菜や こんにゃく・高野とうふ・魚のねり物・豆類など日持ち良 く煮〆た物を三重・五重・七重と奇数でおめでたを表すお 重箱に、松葉・竹の葉・南天・千両など敷いて詰めたもの でした。核化した家族構成の中で今日、四・五人となり四 重が平均化して、内容も一変してハムや肉類、洋食分野に まで進出しています。その土地柄によっても趣、豊かな迎 春のご馳走は生涯忘れられない母の味、家庭のお味と残り ましょう。子から孫へと伝承される日本の良き風習をどう か心をこめてお焚き下さり、我が家だけの素晴らしいおせ ちでよいお年をお迎え遊ばしますようお祈り致しておりま す。 |
毎日忙しく立働きます女性達もこの日は美しく着飾ってこの節句に参加、心から楽しんだことに因みます。お重にいろいろの食物を詰めゆっくりとした一日をおくった昔の女
の人のことが古書に見られます。この五節句には人の生息に(健康・長寿)大切な植物が象徴されていますことに留
意致しましょう。古くはお正月も松の節句と崇められ新しい年を迎えるすがすがしさを松に象した。門松などもその
一つです。 年代物のお重にはそれぞれの節句に因んだ素晴らしい蒔絵が施され、その当時の優雅な暮らしの一端が伺えます。春 ・秋の七草・紅葉・桜・松・梅・竹笹と南天・あやめ・菊などの漆塗りが多く冠婚葬祭それぞれ黒や赤・朱をそして 節会には日本の四季を描いていますものが残され、古代よりの食と文化を今日に伝えてくれています。 先代より伝わる器に心をこめて焚き上げたお料理を美しく盛りご家族の好物を考え乍らオリジナルに仕上げ、我が家 ならではのおせちを是非お作り下さい。ご家族のおよろこびの粒にしていただきたいと思います。そしてご家族の人 々から尊ばれるご家庭のお味名人になっていただきたいと思います。 |
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