ソースってなに? その3 ソースのトリビア
身近な調味料だけど、
広くて深いソースの世界。
「世界と日本」、「むかしといま」を切り口に、
ブルドックソースが集めました。
sauceの語源は
英語?それともフランス語?
ソース“sauce”の単語は英語もフランス語も、ドイツ語でも同じスペルなのである。語源はラテン語の「SAL」で「塩の供給」という意味で使われていたそうですからソースという言葉は食塩を使ってつくられた液体調味料の総称、と言えるのです。
その名はイギリスの
地名から誕生したウスターソース
19世紀初め、イギリスの「ウスターシャ地方」でのこと。ひとりの主婦が、あまった野菜や果物をスパイスと一緒に壺で保存しておいたところ、野菜や果実が溶け合って見たことのない液体に…。その味わいが評判を呼んで「ウスターソース」として販売されたことが現在につながる名前の由来にもなりました。
宮廷でも、
家庭でも作り分けされていた
ヨーロッパのソースたち
フランスをはじめとするヨーロッパの料理では、料理に合わせてソースがつくられ、料理そのものと同じくらいソースづくりが重要視されています。事実、ブルボン王朝時代(1589~1830年)に完成したと言われるフランス料理でもベシャメルソースやドミグラスソースなどのソースが同じ時代にはすでにつくり出されていたそうです。宮廷だけでなく家庭においても、好みや料理に合わせ複数のソースをつくり使い分けていました。
目的や好みで選べる、
日本のソースたち
日本では、明治の文明開化とともに伝来してきたウスターソースが「ソース」として定着しましたが、そのウスターソースも現在では「ウスターソース」「中濃ソース」「とんかつソース」と細分化。さらに「お好みソース」「焼きそばソース」のように使う料理を想定したソース、「パスタソース」や「中華ソース」のように調理を簡単にするソース、そして洋食の基本となる「ドミグラスソース」「ホワイトソース」など、多様な種類のソースが店頭を賑わしています。
日本のソースは…
西と東で味がちがう?
日本中で親しまれているソースですが、地域によって味わいの傾向がちがうことをご存じですか?じつは関東は甘味が強く、関西では酸味の強い味が多いと言われています。そもそもソースは野菜やスパイス、お酢、水、砂糖など、たくさんの素材が使われているため、豊かで複雑な味わいが特徴。好みはもちろん、使われる料理や食べる人によっても「甘い」「辛い」「酸っぱい」の感じ方や選ばれ方に差が出るのは、当然かもしれませんね。